10万曲のフォークミュージックを学習したAIが作曲 決まったパターンから外れると機能しなくなることも

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スウェーデン王立工科大学の研究グループは、現代までに作られた10万曲のフォークミュージックを機械学習によりコンピューターに学ばせ、そこから開発したモデルによりコンピューターに作曲させる、というプロジェクトを実施した。

 

その結果、アルバムのリリースにまで実現することに成功した。

 

このプロジェクトでは既存のAIメソッドのひとつ「再帰ニューラルネットワーク」(RNN)を採用している。 これは今までのパターンを学習することで、次に何が来るかを予測できるようになるもの。

 

学習データはアイルランド伝統音楽を専門に扱っているウェブサイト「thesession.org」のデータを用いた。

 

この機械学習により出来上がったコンピューターモデルは、フォークミュージックの特徴であるパターンを繰り返し、様々に変化させることが出来るようになっていた。

 

これはそのように曲作りするようプログラムされているわけではない。 AIに学習させたデータにそのパターンが存在し、その学習したパターンをもとに作曲をしていることになる。

 

つくり出された曲がどの程度のものかを確認するために、研究グループはプロのアイルランド伝統音楽の演奏家たちに協力を依頼。 すでに存在する民謡音楽と今回AIによってつくられた10万曲の中から曲を選んでもらい、一枚のフルアルバムを完成させるというプロジェクトに参加してもらった。

 

その結果、出来上がったアルバムに収録された曲のうち半数以上はAIが作曲した曲が選ばれていた。

 

その後、研究グループはこのアルバムについて架空のエピソードを作り上げ、AI作曲の曲が含まれていることには触れずにリリースした。 「コンピューターの作った曲」という固定された見方を避けるためである。

 

このアルバムは以下のURLで聴くことができる。 soundcloud.com/oconaillfamilyandfriends

 

しかし研究グループは、コンピューターによる作曲モデルの存在がすぐに人による作曲を押しのけてしまうことはないだろう、という。

 

「音楽はいつでも人間の活動でした。私たちがコンピューターでつくったモデルはあくまで楽譜を書き出すだけで、実際の音楽にするにはプロによる演奏が必要なのです」。

 

また、既存のパターンから外れた革新的な曲作りはAIにはできないこともわかった。

 

「もし一定のパターンから少しでも外してみようとすると、このコンピューター作曲モデルは一気に機能しなくなってしまいます。特定の文脈を超えてしまうと、何も作曲することが出来ない。これは人間とはまったく異なるところなのです」。

 

研究グループはこの成果をオンラインで公開している。 ウェブサイト「folkrnn.org」(英語のみ)では、誰でもこのコンピューターモデルを試してみることが出来るようになっている。

 

また現在構築中のウェブサイト「themachinefolksession.org」では、AI作曲によるフォークミュージックをアーカイブし、多くの人が将来のコンピューターモデルをつくるのに役立てることを目指している。

 

 

 

phys.org