米空軍 AI搭載の戦闘用ドローンを2021年にテスト実施へ パイロットによる戦闘機に勝てる?
アメリカ空軍が、人工知能によってコントロールされる自動戦闘用ドローンを試験運用する計画を立てていることが明らかになった。
国防総省の共同人工知能センターの責任者であるジャック・シャナハン中尉は、空軍研究所が2021年7月にテストを実施することを希望していると述べた。
これはシャナハン氏がミッチェル航空宇宙研究所が主催するイベントの講演で明らかにしたが、計画されている人工知能戦闘機の設計や能力の具体的な詳細は明らかにしなかった。
自動戦闘機がどのような姿になるのかは不明だが、既存の飛行機を改造したものになる可能性もある。
空軍は、AI制御の戦闘機ドローンが敵対する相手に対してより速く反応できることにあると期待するとともに、人が操縦する場合には現時点では不可能とされている難易度の高い高速操縦を行うことができるだろう、としている。
一方でシャナハン氏は、テスト空中戦はそのようなシステムをテストするための第一歩に過ぎないとし、またAIが人間のパイロットに勝つことができるとは確信していない、という。
しかしこのプロジェクトの責任者たちは、近年自動運転車が大幅な発展を見せていることから、自動飛行機の将来については極めて前向きである。
パイロットチームのリーダーは、こう述べた。
「われわれパイロットたちは本当に優秀だが、それでも飛行経験は数千時間だ。しかしそれが何百万時間もの訓練時間を経験できるAIシステムで彼らの能力を増強できたらどうなるだろうか?」
「空の戦いでは、このAIシステムのおかげで、人間ならが考え始めることすらできない短い瞬間での意思決定を助けてくれるだろう」。
自動戦闘機は、国防総省が開発する最新の人工知能搭載機ということになる。
2019年、アメリカ空軍は有人ジェット機に同行する戦闘ドローン「ウィングマン」の映像を公開した。
「XQ-58A Valkyrie」と名付けられたこのドローンは、契約の締結から初飛行までわずか2年半強の期間で開発されている。
XQ-58A Valkyrieは、アメリカ空軍研究所がクレイトス無人航空システムと提携して開発した長距離・高亜音速の無人航空機(UAV)だった。